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茶縞染織/紡ぎ・草木染め・機織り

梅染めで様々な染色パターンを試す

2020.03.25 2020.03.25

つぼみがたくさんついた梅の枝を大量にいただいたので、花を楽しんだあとにその枝を使って梅染めをしてみました。
梅染めは桜染めに比べると染色方法そのものの情報量が少なく、材料は豊富にあるけれど今まで手を出せなかった染色です。
桜染めとは違ってアルカリ抽出はしなくて良いことはわかったのですが、同じバラ科の樹木なのに何故染液の作り方が違うのかという疑問もありまして…。
さいわい梅の枝はたくさんあるので失敗しても何度か再挑戦できると思い、行き当たりばったりでの工程ですすめてみます。

染液を作る

  1. 水2リットルが入った鍋に梅の枝(340g)を入れ、90℃くらいで30分煮出す。梅の枝から染液作り
  2. 30分経ったら染液を不織布で濾して別容器に保管する。
  3. 1〜2の行程をあと5回繰り返して合計10リットルの染液が完成。

最初は黄色味のある液でしたが、煮出しを繰り返すごとに赤みの強い液になってきました。梅の染液また、前出の疑問を払拭すべく、桜染めと同じように重曹を加えてpH9のアルカリ染液も少しだけ作ってみました。
染液ができたところで仕事が忙しくなり、ペットボトルに入れて2日間熟成。ワントーン暗めの濃い染液に変化したところで染色作業に入ります。

染色する

染めるもの

染めた繊維は以下の2種類、どちらも植物性の綿なので事前に濃染を施しておきます。

  • 晒し布 50cm×34cm(綿100%、無蛍光)
  • 機械紡績16番双糸(綿100% 生成り)

手順

  1. 染めるものの20倍(浴比1:20)の量の染液を鍋に入れ火にかける。
  2. 糸と布(精練と濃染済み)は湿潤させてから染液に入れる。
  3. 沸騰する前(90℃くらい)に火を極力弱め、とろ火で30分染色する。
  4. 30分経過したら火を止め、染液が完全に冷めるまで(半日から一晩)そのまま放置する。
  5. 染液から取り出し、よく水洗いした後に脱水する。

結果

まずは糸から。梅染めカラーバリエーション左側は豆乳濃染処理したもの、左から鉄媒染、銅媒染、焼きみょうばんでのアルミ媒染、アルカリ染液でのアルミ媒染です。
右側の4本はカラーアップで濃染したもの、左から無媒染、焼きみょうばんでのアルミ媒染、鉄媒染、クエン酸媒染です。

そして晒し布。媒染は全て焼きみょうばんでのアルミ媒染です。梅染めのカラーパターン左側の3枚は通常の染液で染色、右側の3枚はアルカリ染液で染色しました。
それぞれ、一番上:豆乳濃染で染め1回、真ん中:豆乳濃染で染め2回、一番下:カラーアップ濃染で染め1回です。
左の通常染液の方が少し濃いめで茶というかオレンジ色を含んでいるピンク、アルカリ染めの方がワントーン明るいクリアなピンクでした。
好みにもよりますが、わざわざアルカリ寄りの染液をつくるという一手間をかけなくても、通常の染液でしっかり染まることがわかります。

その後、残りの染液でコットンのブラウスや綿のローン生地などを大量に染色。
全部で500gくらいの布を豆乳濃染するのは大変なので、こちらはカラーアップの力を借りました。梅染めブラウスとショールブラウスは無媒染、コットン特有の洗濯黄バミがあったのですが、すっかり生まれ変わりました。
右のローン生地は無媒染と鉄媒染で染め分けたので、リバーシブルのショールに仕立てる予定です。

梅染めは染色の手順や材料の入手もお手軽(当社比)ですし、桜染めと変わらない色のバリエーションが得られることがわかりました。お茶染めと平行して定番の染色ラインナップに加えたいと思います。

染色と付随する工程に関する注意事項 も、あわせてお読みください。

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