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茶縞染織/紡ぎ・草木染め・機織り

木綿を濃染する

2020.03.06 2020.03.14

植物性の繊維(綿や麻など)を染色する場合、かなりの高確率で登場する「濃染(のうせん)」という下処理工程。
一般的に、タンパク質成分をもった動物性の繊維(ウールや絹)は色素と反応しやすく、タンパク質成分がほとんどない植物性の繊維(綿や麻)は染まりにくいと言われています。

そこで、タンパク質成分を植物性の繊維に染みこませて、濃く染めるための手伝いをしてもらう「濃染」が必要となります。
染める繊維や染料によっては濃染をしないケースがありますが、植物繊維の染色においては基本的な工程です。

豆乳を使う

一番手軽な飲料用の豆乳を使った濃染方法です。大豆タンパクの力を借ります。

用意するもの:染めるもの100gと仮定

  • 豆乳(成分無調整、固形成分8%以上) 1リットル
  • 水 1リットル

手順

  1. 豆乳と同量の水を加えて、染める繊維の20倍の豆乳液にする。
  2. 繊維をぬるま湯で湿潤させて絞っておく。
  3. 豆汁濃染豆乳液に繊維を入れたら2,3分ほど良く揉んで液を染みこませ、1時間以上浸ける。
  4. 天日干し豆乳液は洗い流さずにそのまま絞ってしっかり脱水し、綛の輪の下にも棒を渡して水の入ったペットボトルで重しをする。布の場合はできるかぎりシワを伸ばして干す。

補足

  • 短時間で乾かした方が染めムラは少なくなるので、気温の高めで晴天の日に濃染処理を行ってください。
  • 脱水をおろそかにすると、干しているときに繊維の下方に液だまりができて染めムラの原因となります。
  • 水で薄める割合や浸け込み時間は染めるものや染料によって変わります。
  • 豆乳の割合が多ければ濃く染まりますが、そのぶん染めムラもできやすくなりました(当社比)。

豆汁を使う

豆乳の原料、大豆を使います。
水に浸けてもどした大豆をミキサーにかけ、搾り取った豆汁を濃染液とすることも有名です。
市販の豆乳よりも濃い豆汁が作れるので、大量に染めたい場合は大豆から作った方が経済的かもしれません。ただ、臭いは豆乳よりも強めです。
大豆から豆汁をつくる※材料の量や手順などの記録が見つからなかったので詳細を記することは差し控えます。

市販の濃染剤を使う

染料を扱った専門店で合成の濃染剤が販売されています。
検索すると、次の2商品が見つかりました。

  • カラーアップZB
  • ディスポン

豆乳や牛乳などの濃染処理よりも濃く染まり、染めムラもあまりできないそうなので、こういった助剤を使うことに抵抗がなければ、市販品を使うこともおすすめします。

<2020年3月14日>
カラーアップZBを購入したので、濃染手順を追記しました。

濃染剤カラーアップZBで濃染する

  1. 染めるものをぬるま湯で湿潤させて絞っておく。
  2. 水1リットルに対して5〜10%の割合のカラーアップを50〜60℃のお湯に加えて混ぜ合わせ、その濃染液に染めるものを入れて20〜30分間撹拌しながら浸ける。
  3. 濃染液から取り出して水洗いしてから脱水する。

タンニン処理をする

五倍子や没食子から作られたタンニン酸で濃染処理ができるそうです。
タンニンは、紅茶やワインにも多く含まれる渋み成分としてよく耳にします。
紅茶や赤ワインを飲むと、口の中が一瞬「キュ」としませんか? それを収れん作用といい、口の中のタンパク質とタンニン成分が結合しておこる現象だそうです。
植物性の繊維にも微量ながらタンパク質が存在しているので、そのわずかなタンパク質を引っ張り出してタンニンと結合し濃染効果を得られます。
緑茶にもタンニンが含まれていると言われていますが、緑茶のタンニンは五倍子とは違う性質の成分であり、そのほとんどをカテキンが占めているため、はっきりとした濃染効果は得られません。日本茶染めの場合でも豆汁で濃染処理をしたほうが濃く染まることは実証済みです。

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