糸仕事works

緑茶染め:アルコールで色素抽出

2019.12.10

2017年12月に行った「アルコールを使った緑茶染め」(以下、アルコール染めと称します)の経年劣化について。
写真右がアルコール染めした糸をアルミ媒染、二度染めしたものです。染色から2年が経ってかなり色褪せが見られますが、ほんのりと緑色素は残っています。
参考までに、アルコール抽出をせずに普通に緑茶葉を煮出して染めた糸(アルミ媒染)を左側に置きました。(写真下の糸は緑綿の手紡ぎ糸)

アルカリ染めは数ヶ月で緑色が全く消えて淡いベージュと化しましたが、部屋の壁(直射日光は当たらない)にディスプレイし、ずっと照明や日中の明かりに晒していたことを考えると、こちらはまだ希望がありそうです。
近いうちにアルコール染めを再チャレンジしてみようと思います。

で、このアルコール染めの詳細をFacebookに投稿したのですが、小紋屋の記事ではFacebookへのリンクしか案内していなかったので、改めてこちらに転載いたします。(一部、内容を改稿しています)

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ひさびさにお茶を使った染色をしました。
今回は試験的に、アルコール(無水エタノール)を使ってクロロフィル(葉緑素)の抽出を試してみようかなと。
水には溶け出さないクロロフィルをアルコールで取り出そうという狙いです。


染める繊維(手紡ぎ綿糸)と同じ重量の緑茶をミルで細かく粉砕し、緑茶の重量×10倍の無水エタノールとともに密閉容器に入れて1日漬け込みます。
見事に美しい緑茶エキスが完成。
これを染める糸の総重量に対して浴比が1:20(糸:液)になるように水を加えて染液とします。
※糸(綿糸)は事前に豆乳でタンパク下処理し、酢酸銅と焼ミョウバンの2種類で先媒染をしておきます。

さて、ここからが実験の本題です。
いつもの草木染めならば沸騰寸前くらいの高温の染液に糸を投入して煮出し染めをするのですが、クロロフィルは熱に弱い色素ですので60℃〜70℃を保つようにしました。温度に気をつけながら20分。
その後、染液が完全に冷えるまでそのまま一晩漬け込んでおきます。
翌日、染液から取り出して水洗いしたのちに日陰干し。
二度染めをする場合は、乾かした糸をそれぞれの媒染液につけ置きしてから最初の染液を利用して染めの行程を繰り返します。


写真左から、
・アルミ媒染で一度染め(淡い黄緑)
・アルミ媒染で二度染め(明るめの緑)
・銅媒染で二度染め(渋めのカーキ)
という色合いで染まりました。いずれの場合も、アルコール抽出したときの鮮やかな緑色は再現できませんでしたが、とても良い実験結果が得られたと思います。

今回使用した無水エタノールは薬局で手軽に購入できますが、引火性がある液体ですので扱いには十分ご注意下さい。
そして、大量に染めるにはそこそこの費用(無水エタノール500ml入りで1000円〜1500円くらい)がかかりますし、抽出やら染色にも時間がかかります。
あと、手荒れにもお気をつけて。
諸々、自己責任でお願いします。

<2017年12月17日投稿 小紋屋 茶縞染織より転載>

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