日本茶染め:アルコールで色素抽出、2回目
2018.05.07
2019.12.10
昨年末に日本茶(乾燥緑茶葉)をエタノールに浸して抽出した染液で糸を染めましたが、染色直後は緑色だった糸も、直射日光が当たらない場所に数ヶ月保管して置いた状態でも色褪せが見られました。
手元に賞味期限切れの茶葉とエタノールが大量に残っているので、懲りずに実験再開です。染液の作り方や染め方は前回とほぼ同様ですが、無水エタノールは高価だったので、若干手頃な消毒用エタノールを使いました。
染色データ
用意したもの
- 手紡ぎ糸:80g+20/2番綿糸:120g
- 日本茶(飲料用の乾燥茶葉):200g
- 消毒用エタノール(76.9〜 81.4vol%):2000ml
違うのは、茶葉をエタノールに浸している時間を1日から2日にしてみたのと、重ね染めの回数(染色→媒染→乾燥→染色・・・の行程)を3回まで頑張ってみました。今回は酢酸銅での媒染は行わず、焼きみょうばん(アルミ)を使った後媒染方法のみです。
結果
1番右の白い糸は比較するため置いた生成り糸。
右から2番目が2度重ね染め。
左の束が3度重ね染めです。
3回目には染液を何度も火にかけたことで酸化して色素が赤く変化してしまったようで、光の加減では赤みが入ったような色合いになってしまいました。
特に機械紡績の20/2番綿糸は全体的に色味も薄く感じられます。
考えられる原因としては、
- 無水エタノールと消毒エタノールのアルコール濃度の違い
- エタノールの浸け込み時間(前回1日、今回2日)
- 先媒染(前回)と後媒染(今回)の違い
- 手紡ぎ糸と機械紡績糸の違い
このままアルコール抽出は終わりにすべきか、もう一度続けてみるべきか、悩みどころです。
追記
今回の染色について、経年変化による退色については、こちらで紹介しています。
染色と付随する工程に関する注意事項 も、あわせてお読みください。