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茶縞染織/糸紡ぎ・茶染め・手織り

藍染ワークショップ:最終日

2019.11.10 2019.11.10

半年にわたって参加してきた藍染ワークショップ、最終報告です。

藍染ワークショップ:最終日まずは、畑仕事が主だった夏場のワークショップについて。
一番刈りは梅雨明け直後の7月末。根元を5cmくらい残して刈り取った枝を天日干しでしっかり乾燥させます。
8月は一番刈りした藍の枝葉の選り分け作業。藍の色素が含まれているのは葉の部分だけなので、枝やゴミ、太い葉脈も取り除いておきます。
乾燥した藍の葉は、ヨモギのようなイ草のようなとても爽やかな香りでした。
二番刈りは台風15号の影響をうけて1週間遅くなりましたが、翌年に使う種用の枝を残してすっきりと収穫。一番刈りと同様に天日干し後、枝葉の選り分けをして保管します。

藍染ワークショップ:最終日そして、迎えた最終日。
二番刈りの乾燥葉を使い、藍染めの元となる「蒅(すくも)」の仕込みを行いました。
まずは混ぜ込み用の容器に粉砕した藍の乾燥葉を入れ、水分を加えながらムラにならないよう満遍なく混ぜ込みます。発酵用の樽の内側に藁で作った莚(むしろ)を敷き詰めてから樽底に籾がらを入れ、その上に水分を含んだ藍の葉を重ね入れて毛布で蓋をして完了です。
と、文字にしてしまうと簡単な作業に感じますが、ワークショップで行ったのは単なる仕込みの準備段階。一番大変な「水分と温度管理をしながら混ぜ返して発酵を促進させる」という重労働を毎日欠かさず行わなければならないため、その後の作業と管理は講師の先生の手に委ねることになりました。

藍染ワークショップ:最終日午後は7月に行った藍染手ぬぐいを持ち寄り、染め柄を活かした小物作りをしました。ワークショップを主催するわた部の本領発揮、針仕事です。
そのまま手ぬぐいとして使うのも良いのですが、はんてん屋さん直伝の「あづま袋」や「ほっかむり帽子」を手縫いで作ってみましょう、ということで。
手ぬぐいを折りたたみ、直線縫いでチクチクと縫い進めるだけの不器っちょさんでもできる簡単なレシピを教えていただきました。

ゆったりと手を動かしつつ、藍染にまつわる貴重なお話を聞くという豊かな時間を過ごし、藍染ワークショップ、終了です。

藍染ワークショップ:最終日<後日談>
ワークショップ終了から2週間後、蒅の発酵過程を見学できますとの連絡があり、お言葉に甘えて工房へお邪魔してきました。
この蒅の発酵過程の臭いというのがなかなか強烈らしいのです。
仕込み直後は湿った腐葉土のような匂い、それから乾燥葉と水分が反応して発酵が始まると糠床ようなの甘酸っぱい発酵臭が混ざり合い、さらに発酵が進んで温度が上昇し始めるとアンモニア臭が加わるという住宅密集地では完全にアウトな臭いがともなうんだとか。

ということで、樽を覆っていた毛布を取り外して、まずはひと嗅ぎ。ん? 思っていたほどの強烈な臭いではないような…。
樽の中心部は70度近い温度を示していてほかほかの湯気が立ちのぼり、触るとかなりの熱を感じました。発酵途中の藍の葉(蒅の赤ちゃん?)はぬめり感があって握るとしっかりまとまります。
樽から混ぜ返し用の容器に全て移し替え、空気を含ませるように混ぜながら塊を解していると。
ついに来ました、強烈なアンモニア臭!これは、なかなか、鼻に目にシパシパと刺さるような臭いです。

藍染ワークショップ:最終日この臭いとともに毎日の混ぜ返し作業を繰り返すこと約一ヶ月。7月末に一番刈りをした藍の葉は、一足先に直径1cm強の大きさの蒅になっていました。先生、ありがとうございます!
このままもう少し熟成をさせると来年には藍建てでの染色ができるそうなので、その機会を楽しみに待っています。

ワークショップ開催日は悪天候と重なることが多く予定通りに進まない日が続いたのですが、なんとか無事に最終日を迎えることができました。
自分たちで育てた藍の葉を収穫し、蒅となって、藍建てをして、染色をして。人の出会いもたくさんあって本当に楽しい半年でした。
ワークショップの事前準備や畑の管理、藍や蒅のお世話など、よりよい環境を作ってくださった講師の丹羽先生、わた部スタッフのみなさま、貴重な体験をさせていただきありがとうございました。お世話になりました!

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