木綿繊維(コットン100%)をお茶染め(緑茶染め)する際の、必要な分量や時間などを取りまとめた
染色データを公開します。
夏休みの自由研究の題材として
お茶染めを検討している生徒さんに届きますように!
この投稿と連動したYouTube動画もあわせてご参考ください。
こちらで紹介する6パターンの媒染(発色)方法で染めた結果は画像の通りです。
染めた木綿繊維
- 木綿サラシ 30番手 平織り岡生地(蛍光剤不使用/日本製)
- ハンドタオル オーガニックコットン(生成/ベトナム製)
- スーピマ綿糸 30/3×3(生成/日本製)
染色のプロセス
- 精練
繊維に付着した樹脂や汚れなどの不純物を取りのぞいておきます。
- 豆乳濃染
大豆タンパク質が繊維表面に付き、色素吸着の足がかりになります。
- 染液を作る
高温で煮出して、茶葉の色素を抽出します。
- 染色する
緑茶に含まれるタンニン(カテキン)が繊維に吸着します。
- 媒染
金属イオンがタンニンと結合し、色素と繊維を化学的に固定します。
木綿繊維を100gとした場合の各種データ
1.精練
| 重曹 |
5g(5%) |
| 水 |
5L(浴比1:50) |
| 湯温 |
90〜95℃ |
| 煮出時間 |
15〜20分 |
| 工程 |
水に重曹を入れてから火に掛け、沸騰したら繊維を入れて煮洗いする。
所定の時間が経ったらすすぎ洗いをして、脱水する。
すぐに染色しない場合は、天日干しで乾燥させて保管する。 |
2.豆乳濃染
| 成分無調整豆乳+水 |
1L+1L=2L(浴比1:20) |
| 浸漬時間 |
1時間以上 |
| 工程 |
湿潤させた繊維を濃染液に浸け込む。
所定の時間が経ったら脱水する(すすぎ洗いはしない)。
天日干しで乾燥させて、濃染後はなるべく早く染色する。 |
3.染液を作る
| 茶葉 |
50〜100g(できれば繊維と同量) |
| 水 |
5L(浴比1:50) |
| 湯温 |
90〜95℃ |
| 煮出時間 |
15〜20分 |
| 工程 |
水を火に掛け沸騰したら弱火にし、茶葉を入れて煮出す。
所定の時間が来たら火を止め、50℃くらいになるまで蒸らしながら冷ます。
染液が冷めたら不織布でくるんだザルで濾す。
染液が3L(浴比1:30)に足りなかったら、同じ茶葉を使い3Lになるまでもう一度煮出す。 |
4.染色する
◎下染め
| 木綿繊維 |
100g(精練・濃染済み) |
| 染液 |
3L(浴比1:30) |
| 染温 |
40℃ |
| 浸漬時間 |
約1時間(染液が冷めるまで) |
| 工程 |
湿潤させた繊維を染液に入れて1〜2分ほど揉み込み染めをする。
染液が冷めたら取り出し、すすぎ洗い後に脱水。
後媒染をする場合は媒染工程へ。
染色で終わる場合は陰干しをする。 |
◎上染め(二度染め)
| 木綿繊維 |
100g(下染め済み) |
| 染液 |
3L(浴比1:30) |
| 染温 |
80℃ |
| 浸漬時間 |
2〜3時間程度(染液が冷めるまで) |
| 工程 |
下染めで色が足りなかったら上染めをする。
湿潤させた下染め繊維を80℃の染液に入れて木べらで1〜2分ほど撹拌する。
染液が冷めたら取り出し、すすぎ洗い後に脱水。
後媒染をする場合は媒染工程へ。
染色で終わる場合は陰干しをする。 |
5.媒染
タンニンを多く含む緑茶染めでは、染まり具合(タンニン結合の状態)によって媒染剤の反応が変わるため、記載した量は標準的な目安とする。
その都度、媒染剤の量を自分で見極め、染めたい色味になるよう調整すること。
◎無媒染
プロセス4. の下染め及び上染めの工程でストップし、媒染処理を施さない。
お茶染め本来の淡いベージュを得ることができる。
◎アルミ媒染/染液に媒染剤を溶かして染色する同時媒染
| 焼ミョウバン
(硫酸アルミニウムカリウム) |
10g(10%) |
| 染液 |
3L(浴比1:30) |
| 湯温 |
80℃ → 40℃ |
| 浸漬時間 |
約1時間(染液が冷めるまで) |
| 工程 |
染液を火に掛けて80℃まで温め、焼ミョウバンを溶かす。
染液が40℃まで冷めたら、下染めと同じ工程で染色する。 |
◎クエン酸/酸性染液による同時染色
| クエン酸
(食品添加物でも掃除用でも可) |
5g(5% 染液がpH5の弱酸性になる量) |
| 染液 |
3L(浴比1:30) |
| 湯温 |
80℃ → 40℃ |
| 浸漬時間 |
約1時間(染液が冷めるまで) |
| 工程 |
染液を火に掛けて80℃まで温め、クエン酸を溶かす。
染液が40℃まで冷めたら、下染めと同じ工程で染色する。 |
◎鉄媒染/後媒染
| 木酢酸鉄
(藍熊染料) |
5cc(5%) |
| 水 |
4L(浴比1:40) |
| 浸漬時間 |
15〜20分(反応によって変動) |
| 工程 |
染色後にすすぎ洗いをした繊維を媒染液に入れ、1〜2分ほど手で揉み込んでから浸け込む。
所定の時間が来たら繊維を取り出し、すすぎ洗い後に脱水して陰干しをする。 |
◎銅媒染/後媒染
| 浸染用銅液
(田中直染料店) |
10cc(10%) |
| 水 |
4L(浴比1:40) |
| 浸漬時間 |
15〜20分(反応によって変動) |
| 工程 |
染色後にすすぎ洗いをした繊維を媒染液に入れ、1〜2分ほど手で揉み込んでから浸け込む。
所定の時間が来たら繊維を取り出し、すすぎ洗い後に脱水して陰干しをする。 |
◎アルミの同時媒染後に鉄媒染/多段階媒染
| 木酢酸鉄
(藍熊染料) |
1mlくらい |
| 水 |
4L(浴比1:40) |
| 浸漬時間 |
15〜20分(反応によって変動) |
| 工程 |
水に鉄媒染剤を数滴垂らした媒染液に、アルミ同時媒染で染色した繊維を入れ、1〜2分ほど手で揉み込んでから浸け込む。
10分ほどしても色に変化がなかったら、繊維を取りだしてから更に数滴。
さらに10分浸け込み、好みの色になったら繊維を取り出し、すすぎ洗い後に脱水して陰干しをする。 |
緑茶染めは、茶葉の状態や煮出す温度・時間、染める繊維の種類によって染まり具合に違いが出ます。
思い通りの結果にならなくても、想定外の色合いが得られることもあるので、その点も含めて楽しんでいただけたら幸いです。