台所で簡単にできる緑茶染め(同時媒染)/YouTube公開
2025.05.24
2025.05.24
以前紹介した「緑茶染めの同時媒染(同浴媒染)」の方法を、YouTubeに公開しました。
動画では、媒染なしとアルミ媒染剤(焼ミョウバン)での同時媒染を試し、色合いや染まり具合を検証しています。
後媒染ではベージュっぽい色合いになってしまった緑茶染めが、アルミでの同時媒染で明るい黄色に染めることができるとわかり、ぜひ、皆さまにもお試しいただきたいと思って動画を作りました。
どうしてこのような変化があるか、動画では化学的な詳しい説明をしづらかったので、この記事で補足いたします。
緑茶に含まれている色素・染色に関与する成分について
- クロロフィル:基本的には水に不溶で、染色にあまり寄与しない。
- フラボノイド類:無色〜わずかに黄色。酸化・発酵が進むと赤〜褐色になる。
- カテキン類(タンニンの一種):茶の渋みのもとで、フェノール性化合物。黄色〜オレンジ色系の色素。
特に染色に影響するのはカテキン類です。
媒染の違いによる色の変化の仕組み
後媒染/染色後に焼ミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)で媒染
- カテキンが繊維にある程度吸着してから、媒染剤(アルミニウムイオン)と反応。
- 空気中の酸素や加熱で繊維中での酸化や着色反応が起きやすくなり、テアフラビンやテアルビジンといった物質に変化。茶色〜ベージュ系の色になる。
同浴媒染/同時媒染/染液に焼ミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)をませて染色
- アルミニウムイオンとカテキンが先に結合して錯体(複合体)を形成。
- この状態で繊維と結合すると、安定したアルミニウム・カテキン錯体が繊維に定着。
- 結果として、明るいレモンイエローや黄緑っぽい色になる。
以上です。
夏休みの自由研究にも活用できそうですね。
今後は、緑茶に秘めた色素をもっと掘り下げた染色実験の動画を公開していく予定です。
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