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茶縞染織/糸紡ぎ・茶染め・手織り

お茶染めや草木染めに必要な道具と用語集

2023.10.12 2023.10.13

ご家庭の台所で気軽にできるお茶染めや草木染め。
それらの動画を作るにあたり、作業の流れの中で説明しにくい点がいくつかありましたので、染色で必要な道具や基本的な染色用語をまとめてみました。

これから染色をしてみたい、試してみたいという方に向けた内容です。
専門的に染色を学びたいという方には不十分と思われますので、その点ご了承ください。

ここでは植物繊維である「綿(めん、もめん、コットン)」繊維を染めるケースを紹介しています。
絹(シルク)、羊毛(ウール)など動物繊維の染色とは一部相違がありますので、ご注意ください。


2023/10/13 追記

この記事にある「お茶染めや草木染めに必要な道具と用語集」の動画をYouTubeチャンネルに公開しました。
合わせてご参考ください。

染色に使う道具

染色では、直火・高熱の液体・媒染剤などの助剤を扱うため、錆びや各種液剤に耐性があり、金属イオンに反応しにくい材質の道具を用意する。
高熱の環境で使う物はステンレスやホーロー、常温以下であればポリエチレンやガラスなど。
アルミ・銅・鉄といった色素と反応する金属で作られた製品は使わないほうがよい。

ステンレス鍋

染液を作ったり染めたりと多用するので、耐久性が重要。
ゆったりと繊維を泳がすことができる大きさがよいが、大きすぎるとキッチンコンロで扱いづらいので要注意。お茶染めに必要な道具:ステンレス鍋

ボウル/ざる

ボウルは計測、媒染、少量の染色など。
ざるは染液を濾す時に活用。
いずれもステンレス製がベスト。

洗い桶

常温での媒染や染色、繊維の濯ぎに使う。
ポリエチレン製でOK。

木べら/トング

溶液を撹拌したり、染液に浸した繊維を扱うために使う。
鍋と同様に熱や液剤に強いものが良い。

ゴム手袋

溶液による手荒れ、火傷、色素沈着を防ぐ。

温度計/秤

温度計は100℃まで計測できればOK。
秤は小数点以下の数値が出るものが良いが、なければ、一般的なキッチンスケールでもOK。

不織布

染液を濾すために使用。
園芸用のシートや生ゴミ用の水切りフィルターが便利。お茶染めに必要な道具と用語集

染色用語集

※一部、Wikipediaやコトバンクより文章を引用しています。

染料

布や糸などを染色するため、水やお湯、アルコールなどの液体に入れることで色素を抽出し、染色に使う。
小紋屋では主にお茶(廃棄処分する乾燥茶葉)を染料とし、染める繊維の重量に対して半分の茶葉を使うことが多い。

植物繊維

植物からとれる綿や麻などの天然繊維のこと。
セルロースが主成分であるため天然染料では濃い色に染まりにくいことが多い。
小紋屋では「綿/木綿(コットン)」への染色がメイン。

精練

天然繊維で紡いだ糸や生成り製品に付着している樹脂、蝋、皮脂などの不純物を取りのぞく工程。
汚れの強い場合は、繊維の重さに対して5%程度の重曹を沸騰したお湯に溶かして高温で15分ほど煮る。
樹脂や皮脂汚れなどの不純物が少ない場合は重曹の代わりに中性洗剤でも代用可。

濃染・濃染剤

綿(コットン)や麻などの植物繊維を濃く染めるために、タンパク質やカチオン成分を含む液体に浸しておく工程。
染料店で販売しているカチオン化剤の濃染剤を使ったり、大豆から呉汁(ごじる)を作って濃染液にする方法もあるが、小紋屋では、市販の成分無調整豆乳を同じ量の水で薄めて、タンパク濃染としている。

媒染・媒染剤

染色の過程において、染料を繊維に定着させる工程。
媒染剤に含まれる金属イオンが染料の色素と結合し、発色を促し、色持ちを良くする。
「焼きみょうばん」はアルミ媒染として手軽に使えるので、初めてお茶染めをする時の媒染剤としてお勧め。お茶染めに必要な道具と用語集

浸潤

染料や媒染剤などが繊維に染み込む際の時差をなくすため、繊維を均等に湿らせておくこと。
人肌程度のぬるま湯に10〜15分ほど浸け置きする。

浴比

染めるもの(被染物)と染液や媒染液(溶液)の重量の比率。
例)染めるものが100g、染液が2リットル(2000ml)の場合、「浴比 1:20」と表現する。

堅牢度

染色された繊維の色落ちや色移りなどに対する強さを表す。
日常使いにおいて、日光・汗・洗濯などに耐え、できるだけ長く色持ちするような染色方法を模索中。


お茶染めに関する疑問・質問がありましたら、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

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