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茶縞染織/糸紡ぎ・茶染め・手織り

草木染め:ピンクや紫に染めるには?

2014.09.14 2015.08.29

yamagobou先週末、ちょっと所用で実家に帰ったら、母が「キレイな実を見つけた」とヨウシュヤマゴボウの実を採ってきてくれました。
どんな風に染め液を作ればいいのか調べていたら、葉の染め液を作るように煮出すのではなく、実をつぶして液状にした中に糸や布をいれ、その液を発酵させながら数日間掛けて染め上げるそうなのです。
軒先に1日放置していただけで、ワインが発酵しているときのような強烈な臭いを振りまき始めたので、とてもじゃないけど東京の狭いアパートでは処理できないと判断し、今年は断念しました。

oshiroibanaそれでは、お盆中にチャレンジした赤紫蘇とオシロイバナでの染色をリベンジしようと、庭から大量採取して自宅に戻りました。
まずはオシロイバナ。花びら染めをするときは酸性の液体で花の色素を抽出しつつ沸騰させずに糸を染めると良いと知り、水と米酢が1:1の割合の液を作って試してみました。
鍋から取り出した段階ですでにイヤな予感。水洗いしてみたら、前回と同じくベージュ系の色になってしまいました。
あの美しいピンク色はどこへ? 花びら染めは難しいです。

anthocyanin04そして、同時進行で赤紫蘇も。
今回はお酢を大量に使うため、色素抽出はリンゴ酢ではなく米酢で試してみました。オシロイバナと同様に水と米酢が1:1の割合です。
そこで赤紫蘇を煮出すこと20分。
水洗いをした直後が左側。グレーと紫のまだら状態です。下処理のときに豆乳でタンパク質を与えた段階でムラがあったのかもしれません。
ただ、綿糸をまとめている糸は麻(ジュート)がちゃんと紫に染まっているので、下処理を念入りに行えばもっとキレイな紫になったはずです。
まだらで妥協するか、それとも諦めてミョウバン媒染するか悩んで後者を選択、右側の状態となりました。

anthocyanin02糸を乾かして糸巻きしたものがこちら。

上がお盆に染めたもの。左がリンゴ酢のみ、右がリンゴ酢とミョウバンで媒染。右下がリンゴ酢とミョウバン媒染の残液をもう一度使って染めたもの。
そして左下が今回の米酢+ミョウバン媒染。前回の残液染めとほぼ同じような色味になりました。
これはこれでキレイな色なんですが、欲しい色に仕上がらなかったのが心残りです。

ということで、残念ながら今年の赤紫蘇染めはこれで打ち止め。
ミョウバン(アルミ媒染)はしないで酢やクエン酸など酸性の媒染剤のみOK、ということが実感できただけでも良しとします。

[2015/8/29追記]
ヨウシュヤマゴボウやオシロイバナの色素はアントシアニンではなく、正しくはベタシアニンという青紫系の色素でした。
2015年8月29日にアントシアニンについてメールをくださいましたK様。
返信のメールをお送りしたところ、メールアドレスが存在しないというエラーのため、お礼のメールを差し上げることができませんでした。申し訳ございません。
貴重なご助言、確かに届いております。そして、さっそく記事にも反映させていただきました。
この場にて御礼申し上げます。

染色と付随する工程に関する注意事項 も、あわせてお読みください。

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