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和綿と洋綿の比較 〜蒴果・綿花編〜

2022.09.30 2022.09.30

和綿と洋綿の違い、第二弾。
実が大きくなって開絮し、綿花を収穫して種を取るまでの比較です。

前回同様、私が育てている品種(和綿:白 洋綿:緑)&環境での比較例です。
洋綿を一般的な白綿で比較すべきでしたが、今年は育苗に失敗して育てることができませんでした。そのため、洋綿の参考として緑綿を使用しています。

※左が和綿(白)、右が洋綿(緑)


【蒴果】成長の度合いによって室(綿の房)の数が3〜5室に変化する。
和綿:包葉を傘のようにして下向きに実る
洋綿:包葉を座布団のようにして上向きに実る和綿と洋綿の比較


【開絮】蒴果の乾燥が進むと、綿を包んでいる室の筋に沿って萼が決裂する。
和綿:萼が反り返るように開き、3,4日で種子毛が垂れ下がってくる
洋綿:種子毛を包み込むように萼が開くため、完全に乾燥するまで1週間以上かかる和綿と洋綿の比較


【実綿】柑橘類の房のような三日月型をしている。
和綿:空気を含んで張りがあり、さらっとした手触り
洋綿:滑らかでしっとりした、柔らかい手触り和綿と洋綿の比較


【種子毛・種】1つの室に6〜8粒くらいの種が入っている。
和綿:繊維は若干縮れていて短く、種は小粒で丸みがあり硬い
洋綿:繊維は細くて長め、種は大きめで細く柔らかく感じる和綿と洋綿の比較


【萼】完熟して開絮した実の萼は、しっかり乾燥するとほぼ水平に開く。
和綿:乾燥が早く4,5日でほぼ水平に開き、内側が黄色みを帯びている
洋綿:厚みがあるぶん乾燥に時間がかかる和綿と洋綿の比較


今まで意識して和綿と洋綿を比較したことがなかったので、データ収集がなかなかおもしろかったです。

比較を思い立ったのが花が咲く頃だったので、発芽から蕾を持つくらいまでの育苗編ができなかったのが心残り。
来年は洋綿の白をしっかりと育ててリベンジします。

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