ほうじ茶でお茶染め:アップサイクルお茶染め、総括
2023.09.28
2023.09.28
お茶染めシリーズ、第三弾。
坂東市産のほうじ茶でお茶染めをしました。
今回も廃棄処分される茶葉を使ったアップサイクル染色です。
ほうじ茶葉は約60g。
染めた繊維はすべて綿100%で、
- 晒し布
- 無印良品のもったいない糸
を合わせて約120gを準備しました。
実験内容
濃染処理
- 成分無調整豆乳1:水1として、20(濃染液):1(繊維)で6時間浸す
- しっかり脱水した後、天日干しをする
染液作り
- 水1リットルを沸騰させてから、茶葉を投入後、15分煮出す
- 不織布で茶葉を濾して、ほうじ茶液(染液)のみを別鍋に保存
- 3番液までとったところで浴比が20(染液):1(繊維)の2.5リットルになったので煮出し完了
- 染液を常温(40℃以下)程度になるまで冷ます
染色
- 浴比は 20(染液):1(繊維)にする
- 染める繊維を水に浸して、十分に浸潤させてから良く絞って広げておく
- 染液に繊維各種を投入し、最初の5分は繊維をしっかり揉み込む
- 常に染液中に繊維全体が浸っている状態をキープしつつ、時々撹拌しながら染める
- 30分経過したら繊維を取りだして染液を絞り、軽く水洗いをする
媒染
- アルミ媒染(焼きみょうばん):繊維量に対して10%
- 銅媒染(酢酸銅):繊維量に対して10%
- 鉄媒染(酢酸鉄):繊維量に対して5%
※染液に含まれるタンニンと媒染液が反応した際、皮膚のタンパク質が反応して色素が沈着してしまいます。必ずビニール手袋をして作業してください。
- 浴比は 20(媒染液):1(繊維)で、媒染時間は15分
- 媒染液から取り出したら、水に色が出なくなるまでしっかり水洗いをする
- 銅媒染と鉄媒染の繊維を脱水して日陰干しをする
2度染め
晒し布の染めあがりで、濃染下処理の失敗と思われる空気の泡のような色ムラができてしまったため、予定にはなかった2度染めを行いました。
- 元の染液に入れて最初と同じように5分揉み込む
- その後は常に染液中に繊維全体が浸っている状態をキープしつつ、時々撹拌する
- 30分経過したら繊維を取りだして染液を絞り、軽く水洗いをする
- 繊維を脱水して日陰干しをする
残念ながら、濃染で失敗すると2度染めでは解決しないようです。
こちらの布は、裂き織り用として有効活用する予定。
染色結果
色ムラのないテスト染め用の晒し布で紹介します。緑茶の染めあがりから、それぞれ彩度をワントーン落としたような感じになりました。
媒染したほうじ茶のイメージそのものといった色合いでしょうか。
お茶染め3種の染めあがり
緑茶(日本茶・煎茶)/烏龍茶/ほうじ茶の3種類の茶葉を、アルミ/銅/鉄で媒染した9パターンのサンプルがこちら。
成分無調整豆乳での濃染有り/無しを含めて18パターンできました。
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