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手仕事

緑茶(日本茶)で黄色に染める:同浴媒染/同時媒染

2024.06.04 2025.05.21

今回は、以前投稿した「綿素材の緑茶染め(お茶染め):常温編」をアレンジして、焼きみょうばん(硫酸アルミニウムカリウム)を染液に溶かした「同浴媒染(同時媒染)」という方法を紹介します。

後媒染ではベージュっぽい色味になった緑茶染めが、レモンイエローのような明るい黄色に染めることが可能です。緑茶の同浴媒染※左から、同浴媒染/後媒染/染色していない元の色

用意するもの

染めるもの

  • ハンドタオル(オーガニックコットン100%):25g×4枚=100g
    ※2枚はアルミ媒染、2枚は無媒染で染色します

染液の材料

  • 緑茶(商品化できなかった廃棄茶葉を利用):100g(染めるもの全量に対して同量)
  • 焼きみょうばん(硫酸アルミニウムカリウム):5g(アルミ媒染で染めるものに対して10%)

染色に必要な道具

染液を作る

  1. 鍋に4〜5リットルの水を入れて沸騰させ、弱火にしてから茶葉を入れて15分〜20分煮出す。
    この時の湯温は90〜95℃をキープして、グラグラと沸騰させる必要はない。
  2. 染液を入れるための染色桶(鍋、ボウルでもOK)を準備し、焼きみょうばんを入れておく。
  3. ザルに不織布や目の細かい濾し布を被せて染色桶にセットする。
  4. 染液ができたら、冷めないうちに500ml程度を濾しながら染色桶に入れ、焼きみょうばんを良く溶かす。
  5. 残りの染液は、煮出した鍋の中で茶葉を入れたまま40℃程度まで冷ます。
  6. 染液が冷めたら、ザルで濾しながら染色桶に溜める。

補足

染液は染めるものに対して30倍(浴比1:30)程度を用意しましょう。
(今回の例では3リットルの染液を用意)

繊維を染める

今回はアルミ媒染と無媒染で2枚ずつ染めるため、2つの染色桶に均等に1.5Lずつ分配しました。

  1. 染めるものは予め濃染処理を施しておく。
    →過去の投稿「木綿を濃染する」をご参照ください。
  2. 染めるものを湿潤させてからしっかり脱水し(※)、皺がないように広げてから染色桶に入れる。
  3. 最初の1分は繊維の奥まで液が染み込むようにしっかり揉み込む。
  4. 全体に染液が染み込んだら、10分〜15分くらい染液に浸しておく。緑茶染めの染液※左:後媒染用の緑茶染液/右:焼きみょうばん入りの緑茶染液
  5. 時間がたったら染液から取り出して絞り、色が出なくなるまでしっかりすすぐ。
  6. 日陰干しで乾燥させる。

補足

乾燥後に色味が薄いと感じた場合は、2.からの工程を繰り返してください。


以上です。

緑茶の鮮度や保存状態が悪いと色味が悪くなるかと思ったのですが、半年前にいただいた廃棄茶葉でも染まったので賞味期限切れや開封して時間が経ってしまったお茶でも使えると思います。

媒染剤での色止めは施していますが、日常の洗濯や日光などでの色褪せを防ぐことは難しいです。
小紋屋のお茶染めポリシーは「色褪せしたら、また染めればいいよね」という方針であるため、堅牢度はあまり重要視していませんので、その点ご了承ください。
※色褪せが気になる方は市販の色止め助剤を試してみるのもありかと思います。

次は、黄色に染まったハンドタオルを緑みのあるモスグリーンに変化させる方法を紹介します!緑茶でモスグリーンに染める

染色と付随する工程に関する注意事項 も、あわせてお読みください。

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