綛あげ・あみそ糸の始末
2020.03.02
2020.03.03
今回は糸の綛づくりについて、ちょっとしたコツをお教えします。
手紡ぎをはじめた当初はただ輪っかにしておけばいいのだろうと思い、何も考えずに染色の工程に移っていましたが、いざ染色をしてしてみると糸が絡まってぐちゃぐちゃになってしまい、何度も泣いたことがありました。
専用の道具を持っていない個人が趣味で手紡ぎを行うレベルでも、ちょっとした一手間でぐっと作業がしやすくなります。ぜひお試しください。
※ここでは便宜上、「綛になっている状態の糸=染め糸」「綛をまとめる糸=あみそ糸」と呼びます。
綛あげをする
綛取り棒を使った綛あげ方法です。綛繰り器でも基本は同じやり方です。
- 綛取り棒の中棒に染め糸の糸端を巻き付けて動かないようにしてから綛あげをスタートします。
- 綛ができあがったら、染め糸の巻き始めと巻き終わりを合わせて結んでおきます。結び目から糸端まで5cmくらい残しておいてください。
あみそ糸を結ぶ
あみそ糸は染色するときに染め糸がバラバラにならないようにする役目があります。
バラけないようにとキツく結ぶと、あみそ糸のところだけ染まりきらないことがあるため、少し糸束にゆとりが出るように長めの糸を準備してください。
- 綛あげした染め糸の巻き始めと巻き終わりの結び目がある糸束を中央で割ります。あみそ糸を半分にして輪を作り、糸束の隙間に下から差し込みます。
- あみそ糸の輪の中に、片方の糸端を上から入れます。
- 輪を通さなかったもう片方の糸端を染め糸の束の下をくぐらせて、結んだ染め糸の糸端2本と合わせて3本にして持ちます。
- そのまとめた3本と、2.で輪を通したもう片方のあみそ糸端1本を固結びします。あみそ糸が8の字になっていれば成功です。
同様に、綛の反対側の糸束にもあみそ糸を8の字に結びます。
綛の輪が大きい場合は、対角線になるように合計4箇所に結ぶと安心です。
あみそ糸を外す
綛から糸玉に巻き直す際、せっかく作ったあみそ糸を闇雲に外してしまうと糸口(いとぐち:染め糸の始まりの部分)がわからなくなり、ずっと糸が絡んだ状態になって大変なことになります。
綛繰り器に綛をセットしたら、まずは糸口を正しく見つけてから作業を始めましょう。
- 染め糸が結ばれたメインのあみそ糸以外を外しておきます。
メインのあみそ糸を軽く引いて染め糸の結び目近くに手を入れ、手繰るように綛繰り器を1周します。何の引っかかりもなく戻れたらその糸が糸口となります。もし別の糸と交差して先に進まないようであれば、結び目の反対側の糸で試してください。 - 染め糸の糸端を持ち、結び目から糸口側の5mmほど横で切ります。糸口が行方不明にならないよう、マスキングテープで綛繰り器に仮止めしておくと後で困りません。
- あみそ糸を切ります。こちらも結び目のすぐ横で切りますが、染め糸とあみそ糸は結んだ状態のまま、あみそ糸だけ切ってください。
- 結ばれたままの染め糸とあみそ糸は、綛繰り器の芯棒に絡めておくと染め糸の最後が行方不明になることはありません。
以上です。
慣れるまではちょっとややこしい手順ですが、一度身についてしまうと本当に作業が楽になります。
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