伝統技traditional

9月文楽 不破留寿之太夫

2014.09.17

farusu国立劇場小劇場で新作文楽「不破留寿之太夫(ふぁるすのたいふ)」を観てきました。
シェイクスピアの「ヘンリー四世」と「ウィンザーの陽気な女房たち」に出てくる名脇役、フォルスタッフを主人公にしたオリジナルストーリーです。
舞台装置、音楽、人形の衣装や台詞もふくめて、ここまでやっちゃっていいの??というびっくりが盛りだくさんでした。
(人形浄瑠璃文楽を観るのは3回目の超初心者なので、どこまでがスタンダードなのか、正直わかっておりません!)


まず、大夫と三味線の床が、肩衣がいつもと違う!
イヤホンガイドの解説によると、イギリスの草原を表した模様なのだそうです。
箏の演奏や三味線を胡弓のように弓で弾いたり、テーマ曲がイングランド民謡のグリーンスリーブスだったり、葬送行進曲がチラッと流れたり。
人形の衣装もエキゾチックでキラキラでヒラヒラ。太鼓腹の不破留寿之太夫には胸毛とヘソピアスでかなり破天荒。
シェイクスピア原作の文楽は過去にハムレットとテンペストがあったそうですが、写真を見る限り人形の姿は普通の文楽らしい衣装でした。
2年前に観た三谷文楽「其礼成心中」が、ものすごくスタンダードな作品に思えてきます。

そしてラストでは…。
満席のお客さん、拍手喝采です。

文楽には悲劇が多いイメージがあって、悲しみや哀れみを表現する人形に何とも言えない美しさを感じていたのですが、こういうコメディ要素がたっぷり加わった親しみやすい文楽があったとは。
大阪市の文楽に対する補助金問題が記憶に新しいですが、不破留寿之太夫をきっかけに文楽をもっと観てみようと思う人が増えてくれると嬉しいです。
伝統文化を守るために、客席側にいる自分ができることは、一公演でも多く劇場に足を運ぶことなのですから。

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