2010 03/06 01:35
それからはスープのことばかり考えて暮らした
クラフト・エヴィング商會にはまったことがきっかけで、吉田篤弘さんの本も気になりまして。
散歩のついでに立ち寄った図書館で興味深いタイトルの本を見つけ、さっそく借りてみました。
路面電車が走っている月舟町という町が舞台。で、そこに住んでいるオオリ君(無職)が主人公。で、そのオオリ君が関わる人々の物語です。
最近こんな「ほっこり本」ばかり選んでしまうのは、歳のせいでしょうかねえ。
オオリ君がスープのことばかり考えて暮らしだしたのは、物語の三分の一が過ぎた頃。
無職だったオオリ君が毎日に通っていた商店街のサンドイッチ屋さんで働きだし、ライバル店に負けないメニューを作ろうと思いついて、「それからはスープのことばかり考えて暮らした」という流れになります。
登場人物のつながりや展開は(申し訳ないことに)割と簡単に想像がついてしまうし、(ほんのちょっとだけ)現実味がなかったりするのに、なぜか懐かしい感じがして一気読み。小学生の頃に夢中で読んだジュブナイル小説のような、それも海外の作品を丁寧に翻訳したような言葉選びも心地よくて。
感情表現の下手なサンドイッチ屋のオーナー、大人びた小学生たち、人なつこい大家さん、古い映画に登場する美しい脇役女優。現実にいそうだけど実際にはいない、のに、どこかで出会ったことがあるかも?と思わずにはいられない。
そんな、懐かしさや昔の出来事を思い出させてくれる本でした。
ページの最後、物語に登場する「名なしのスープ」を作るためのレシピがあるんですが...。
いえ、わかるんです。肝心なのは材料や分量じゃないって事。
誰かを「うーん」とうならせるようなスープを完成させるには、とっても時間がかかりそうです。


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